紙じゃない投票用紙─地球に優しい新素材で開発 姫路のグローリー 

経済・企業

 貨幣処理機のグローリー(姫路市下手野)は、パルプを原料としない新素材を使った投票用紙「LXコート」を環境関連のスタートアップ「TBM」(東京都中央区)と共同開発した。グローリーはお金の識別で培った画像認識技術を発展させて選挙の投票用紙分類機や計数機を製品化し、全国の約4割の自治体に納めている。それらの機器とエコな投票用紙の組み合わせで、選挙関連市場でのシェア拡大を狙う。
 LXコートは石灰石が主原料。紙製より耐久性に優れており、破れる心配がない上、折り目も付きにくい。投票箱に折り曲げて投函されても箱の中ですぐに元通りに開くので、選挙の開票作業がスムーズに行える。
 これらの特性は、現在、多くの自治体で普及が進んでいる従来の石油由来合成紙も併せ持つが、LXコートの最大の特長は、製造する際に欠かせないパルプ漂白用の大量の水が要らず、焼却時に環境ホルモンを排出しないこと。カラーバリエーションが17通りあるので、複数の選挙が同時執行される場合にも有効だ。しかも価格は従来品と同等という。


 さらに両社は、地球環境への貢献策としてもう一歩踏み出し、使用済み用紙を焼却処分せずに再利用することを目指す。用紙を保管期間満了後にグローリーが回収し、TBMが破砕、洗浄、ペレット化、最終的にクリアファイルやマグカップなどに再生利用するマテリアルリサイクル(廃棄物を別の製品原料として再利用する方法)の仕組みを構築していく。
 LXコートはグローリーの公式通販サイトで8月1日から販売開始する。

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