脱炭素・原油価格高騰で難局のガソリン事業 「ブランド力の底上げで生き残りを」とナカムラ
脱炭素シフトや燃料価格の高騰がガソリン業界の川下の経営を圧迫している。ENEOS特約店として兵庫県南西部を中心にサービスステーション(SS)を展開するナカムラの中村正行社長に、昨今の経営環境と今後の生き残り策を聞いた。
来年は創業110年を迎えるだけあって〝ガソリンのナカムラ〟は地元に浸透しているが、現在の事業内容は。
ガソリンを提供するSS事業と、車検・整備や鈑金、塗装、保険、レンタカーなどカーライフ全般の2本が柱。SSはピーク時に25店あったが、今は11店。そのうち5つがセルフ店となっている。車検台数は年間6〜7千台で、県内トップクラス。近畿でもベスト20に入る。
他社にない強みは。
環境に配慮した取り組みが他社より進んでいること。世界では光化学スモッグの原因となるシンナー性塗料の使用に厳しい規制がかけられているのに、日本はまだ法規制が整っていない。その中で当社では10数年前にいち早く水性塗料を導入した。SDGsに少しは役立っているかなと。
業界を取り巻く環境は。
脱炭素が叫ばれる時代になったので、ガソリンを扱う商売は長く続かないだろうという意見が大勢を占めている。自動車もハイブリッド車が普及し、電気自動車(EV)も増えつつある。
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