【宍粟市】宇原獅子舞にポーラ賞 来年4月には万博出演も

文化・歴史

 約360年前から宍粟市山崎町の宇原地区で受け継がれてきた「宇原獅子舞」の保存会(写真)が、工芸や芸能の分野で伝統文化の発展に貢献した個人・団体を表彰する「伝統文化ポーラ賞」の地域賞に選ばれた。
 同賞は化粧品・エステ事業のポーラが運営するポーラ伝統文化振興財団(東京)が制定し、将来の人間国宝はじめ、これまでに延べ360人を表彰している格式ある賞。今年で44回目。
 宇原獅子舞は、獅子頭と後ろ足の二人立の毛獅子が雄、雌、子の3体あり、低い姿勢で生き生きと舞うのが特徴。毎年、地元神社の秋祭りで12演目を奉納する。保存会に伝わる太鼓に1660年制作の銘が記され、「山崎藩覚書帳」には1858年に藩主の祝賀会で披露したとの記述もある。
 同賞へは市教育委員会が推薦。子どもや女性、地域外からの参加を積極的に受け入れるなど人口減少が進む地域にあっても担い手づくりに励み、年々組織を活性化していることが評価され、見事受賞した。同賞受賞は県内で10例程度あるが、市内では初めてという。12月に東京で授賞式が行われる。
 また同保存会は、来年の大阪・関西万博に出演することも決定。開幕1週間後の日曜日となる4月20日、世界中からの来場者へ向けて4演目を披露する。
 2つの吉報を受けた会長の竹内謙吉さんは「地元に根差した小さな伝統芸能が評価されて嬉しい。さらなる継承活動につなげていきたい」と話している。

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