モスク型の意匠が珍しいとTBSテレビ「マツコの知らない世界」で紹介され話題を呼んでいる姫路市立手柄山温室植物園(同市手柄)で、植物学者・牧野富太郎(1862~1957)ゆかりの植物展が9月9日から24日まで開催される。
牧野は放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルになったことで今、脚光を浴びている。高知県出身で幼い頃から植物に興味を持ち、ほぼ独学で植物の知識を身に付けた。生涯にわたり植物研究に情熱を注ぎ、新種や新品種など約1500種以上を命名し、日本植物分類学の礎を築いた。晩年に出版した代表作「牧野日本植物図鑑」は現在も広く親しまれている。
播磨との縁も深い。たつの市出身の植物学者・大上宇市(1865~1941)が自宅裏山で珍しい樹木を発見、牧野が出入りしていた東京帝国大の研究室に連絡したところ、幻の樹木と言われ、長年探索していた常緑性広葉樹「コヤスノキ(トベラ科)」であることが分かった。また、兵庫県花の「のじぎく」も、牧野が姫路市の大塩・的形地区に群生していた様子を調査し、命名したことで知られる。
植物展では、牧野が命名した約100種の植物を紹介するほか、明治、大正、昭和時代の関連図書や様々な資料を展示する。同植物園の担当者は「牧野博士にちなんだ展覧会でこれだけの植物を展示するのは珍しい。この機会に是非訪れてほしい」と話している。
開園時間は午前9時から午後5時(入園は午後4時30分まで)、金曜休園。入園料は 大人210円、小人100円、6歳未満無料、団体割引あり。電話079-296-4300。