【姫路市】市長選は現職・清元氏が完勝 維新の風はねのける

政治・選挙

当 111,790 清元 秀泰
    76,786 榑谷健太郎

 統一地方選のすべての日程が終わった。自民、公明両党からの推薦を受けた現職・清元秀泰氏(59)と元財務官僚で維新推薦の新人・榑谷健太郎氏(38)が競った姫路市長選は、表面的には政党対決と受け止められがちだったが、清元氏は労働組合「連合兵庫」から一番に推薦を得るなど幅広い層から厚い支持を集め、4月23日の投開票日は、投票締切とほぼ同時のいわゆる〝ゼロ打ち〟で2回目の当選を果たした。
 「コロナを克服した姫路を次のステージへ」をキャッチフレーズに、教育の充実や子育て支援といった人への投資と次世代産業誘致のためのインフラ投資などを掲げた清元氏に対し、「現市政はハコモノばかりで税金の使い方を間違っている」との真っ向批判で市政改革を唱えた榑谷氏。
 市民の関心が高まらず、はっきりとした手応えのない中、清元氏は根気よく市政の継続を訴えた。前半戦の県議選で躍進した維新の風が脅威だったが、タッグを組む松本総務相や一足早く選挙を終えた自公県議、同時選挙を戦う与党市議らとの組織戦を上手く展開したことで、序盤から有利に戦いを進めることができた。
 榑谷氏は、清元氏の遊説の後を追うようにして街頭に立ち、期日前投票の会場前では陣営が「若き力で姫路の未来を変える」と大書した確認団体ビラを無差別に撒くなど、なりふり構わぬ作戦に出たが、〝身を切る改革〟の先にある肝心の具体ビジョンを最後まで示せないままだった。中盤に吉村大阪府知事が来姫してテコ入れしたが、すでに大きく開いた差を埋めることはできなかった。
 23日20時過ぎ、大勢の支持者からの拍手で迎えられ選挙事務所に入った清元氏は、「大変見通しが悪く、厳しい選挙戦だったが、お一人お一人が清元への信頼を積み上げてくれたおかげ」と安堵の表情を見せ感謝。続けて「驕ることなく、これまで以上にLIFE輝く住みやすい姫路をつくっていく」と約束した。

 また、清元秀泰市長は当選から一夜明けた24日、選挙事務所で会見した。主な内容は次の通り。
─得票数について感想は。
 投票率が下がったのに2500票程増えたということは、新たな評価の声も加わったのかなと大変うれしい。ただ、得票率が6割に少し届かなかったのは残念で、今後の課題だ。
─相手候補との論戦を振り返って。
 私よりも20歳若い方が出てきたことに敬意を持ったし、若者が政治に関心を持つようになる大きなチャンスだと思った。ところが、無駄だ無駄だの一点張りで、政策に掘り下げがないから議論が噛み合わないまま終わった。
─2期目に特に力を入れることは。
 周辺地域で進む過疎化にしっかり対応していく。連携する播磨8市8町で一緒に社会増を目指す政策をとっていきたい。
─市立3校についての考えは。
 現状の3校を大規模改修しながら維持していくより、最新設備の新校舎を建てる方がトータルコストも抑えられ、教育内容も生徒ファーストで充実できる。
─道の駅については。
 目指すのは災害時に西日本の物流拠点となる防災道の駅。鉄道駅のない市北東部の花田インター付近で整備することで、パーク&ライドで空港行きバスの乗り換えステーションになるほか、JRが別所町の貨物駅で総合水素ステーションを整備した時に水素を運ぶトラックの中継地点にもなる。
─選挙の勝因は。
 市民の草の根ネットワークのおかげ。LIFEの市政を途切れさせてはいけないと共感してもらえた。

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