創業百年、 グローリーのDNA──創業家 尾上壽男名誉会長が語る③

特 集


2004年、姫路商工会議所会頭に就いた尾上壽男グローリー会長(当時)

地元に恩返し

グローリーは創業期から姫路で育ててもらった。知⼰や取引先だとか。姫路で育ってきて良かったなぁということが多々あります。ただし今の時代となったら、姫路本社というのは結構なことだけれども、やっぱり営業関係は秋葉原にある東京本部を中⼼に活動している。ここを⾜場にあちこち展開するということはね、⾮常に⼤きな意味がある。だから、本社ですべての仕事をするのではなく、営業関係は東京、⼯場は姫路とか埼⽟とか、ちょっと離れて、⼈が求めやすいところでやっているんです。

88年に埼⽟の⼯業団地1万3千坪を取得しました。当時は今の半分位しか仕事がなくてね。だから⼟地の半分はゴルフの打ちっ放し場にしてもいいなという程に広い⼟地が余り、10年位遊んでいた。しかし、だんだん時代が変わってくれば、今はもう⼀杯。レジ釣り銭機を何万台と作っています。やっぱりあの時に買っておいて良かったなと。

そういうことで、本社というのは⼀つの機能であって、必ずしも東京でなかったらいかんわけじゃない。それに今はITがどんどん発達したからね。不便を感じない。⼤事なことは営業。お客さんとのフェイス・トゥ・フェイスやね。逆に姫路本社を他所に移す意味もない。むしろ、創業の地に居続けることに、会社の魂としては意味があると思う。

創業の地で〝求める⼼〟の精神、魂を変わらず持ち続け、次の世代に引き継いでほしい。世の中は変わるから、商品も経営も変わるけれどね。やっぱり精神というものは受け継いでほしい。グローリーのDNAを⼤事にして⾏こうと。そういう⾯も含めて⼒まずに⾃然体でやったらいいと思いますな。

⼤会社で経営者が変わって、また⽅針が変わって、ということがありますわね。それではいかんね。⼀本筋を通すという創業者精神を持たんとね。創業者が⼤事にしている⾔葉をどの世代まで踏襲していけるかということが⼤事だと思うね。これは中⼩企業の⽅が特に必要かも分からんね。景気が良いから「あの仕事やろう」とか「これやろう」とか、表⾯的な要素で動くとやっぱり失敗するケースが多いからね。中⼩企業でも創業者精神というものを⾃分たちで理解し、それを基にやっていくのが⾮常に⼤事やないかなと思うんです。そうすれば経営者が変わっても⼤丈夫です。

会社がそうなら、私も姫路⽣まれの姫路育ち。城南⼩、⽩鷺中、市立姫路⾼と進んだ。私らの時代まで学区制だったんです。だから、ボケーッとしていても⾼校まで進めた。

⼤学は親から「近くを受けろ」と⾔われたけれど、東京志向が強かったからわがまま言って中央⼤に⼊った。若気の⾄りか、やっぱり世間の広いところに⾏きたかった。けれども東京⾏ったら遊んでばっかりで。〝世に出て恥かく…〟という歌もあったけれど。

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