【播磨】播州路 秋祭り特集2023

文化・歴史

 町の辻々に色とりどりのシデ棒が現れると、どこからともなく聞こえてくる太鼓ならしの音や篠笛の音色ー。今年も祭りの季節がやってきた。
 「ヨーイヤサー」「チョーサー」と熱気溢れる掛け声が響く中、力強く差し上げられる重厚な屋台。高揚感みなぎる播州路の主な祭りスケジュールと見どころを紹介する。

◇松原八幡神社(姫路市白浜町)灘のけんか祭り
 14、15日。氏子7地区の豪華屋台練り合わせと神輿の激しいぶつけ合いで全国からファンが押し寄せる。14日正午から7台の屋台が順に宮入り、楼門と特設観覧席の間の広場で激しく練り合わせ。
 15日は、今年の練番に当たる木場の氏子たちが小赤壁海岸での「潮かきの儀」に続き、大幟とともに宮入りして3基の神輿を担う。
 午後からの舞台は、神社から西へ約1㌔のお旅山広畠。松原獅子屋台の露払いと木場の神輿合わせの後、力声と太鼓の響きに合わせて怒涛の屋台練りが繰り広げられる。

灘のけんか祭り・お旅山広畠での屋台の練り合わせ

◇恵美酒宮天満神社(同市飾磨区恵美酒)
8、9日。8地区から繰り出す屋台の練り合わせが圧巻。最大の見どころは、屋台を一旦差し上げ、拍子木を合図に屋台足場(泥台)を肩で支えるという市重要無形民俗文化財の「台場練り」。練子たちの息が合わないと成功しない命がけの伝統技。

◇浜の宮天満宮(同市飾磨区須加)
8、9日。神輿を35年振りに修復。力自慢が「サイテバチョーサー」の力声に合わせて屋台を頭上高く持ち上げ、静止できる時間を競う市重要無形民俗文化財「台場差し」を披露する。

◇中島天満宮(同市飾磨区中島)
7、8日。中島、下野田、中野田地区の屋台練り合わせや獅子舞奉納。

◇津田天満神社(同市飾磨区構)
7、8日。神輿が御旅所(菅公小憩の地)へ向かい、各町屋台も行宮祭の後、宮入り。屋台を地面から一息で差し上げる「一気差し」や獅子舞が見どころ。今年は今在家地区の毛獅子が36年振りに新調された。

◇英賀神社(同市飾磨区英賀宮町)
17、18日。奥深い険しい山に見立てた竹の梯子を獅子が登っていく「梯子獅子」や、高床式の拝殿の中、天井に届くほど屋台を高く練り上げる「拝殿練り」が見どころ。

◇大塩天満宮(同市大塩町)
14、15日。鎌倉時代から続く県重要無形民俗文化財「毛獅子舞」が最大の見せ場。14日に屋台の練り合わせや8地区8頭の毛獅子舞。15日、氏子が翁の面をつけて舞う「御面掛神事」や金弊を持った稚児が宮入りする「一ツ物神事」。屋台の宮入りに続いては、毛獅子が祇園囃子の笛や太鼓に合わせて野趣あふれる豪快な「道中舞」を披露する。

◇湊神社(同市的形町)
13、14日。屋台と子ども神輿が昼頃宮入り。夕刻からはイルミネーションで飾られた屋台が山電的形駅前で練り合わせを披露する。

◇魚吹八幡神社(同市網干区宮内)
21、22日。別名「提灯祭り」。宵宮の楼門前で見せる「提灯練り」は、長さ3㍍の青竹の先に着けた提灯がぶつけ合ううちに粉々にはじけ飛ぶという荒っぽさ。22日には豪華な屋台が「チョーサー」の掛け声に合わせて一糸乱れぬ練りを披露する。楼門前ではだんじり上で芝居や踊りなどの演芸ほか、獅子舞も行われる。

◇甲八幡神社(同市豊富町)
7、8日。男衆が屋台を担ぎ、標高107㍍の甲山山頂にある神社まで練り歩く。見どころは本宮13時からの獅子舞奉納。約8㍍の梯子を山形に組み、猿とひょっとこが獅子を連れて登るという珍しい舞。

◇荒川神社(同市井ノ口)
14、15日。石畳約300段の急な階段と狭い斜面を、屋台を担いだ状態で登る名物「階段上り」で知られる。「小芋祭り」と呼ばれる所以にもなった、狭い境内での練り合わせも必見。

◇才天満神社(同市広畑区才)、菅原神社(同市広畑区小坂)、生矢神社(同市手柄)7、8日。

◇大避神社(赤穂市坂越)
7、8日。通称「坂越の船祭り」とも言われ、国重要無形民俗文化財に指定されている瀬戸内三大船祭りの一つ。神社で航海安全を祈る神事が行われた後、浜辺までの参道を神輿や獅子舞が練り歩き、続いて船渡御。神輿を乗せた船を先頭に、旗や幟を立てた頭人船が雅楽を奏でながら、大名行列さながらに秦河勝を祭る生島まで渡る。夕刻になると、生島から戻ってくる船の高張り提灯が、坂越湾を幻想的に照らす。

◇赤穂八幡宮(同市尾崎)
14、15日。眠っている雌雄の野獅子が太鼓の打ち出しで目覚め、天狗に導かれながら悪霊を祓い清めて進んでいくという獅子舞が見せ場。

◇塩屋荒神社(同市塩屋)
21、22日。男衆が絢爛豪華な屋台を担いで練り歩く赤穂きっての迫力ある祭り。

◇梛八幡神社(たつの市神岡町)
20~22日。20日は神事のみで、21日に神輿が御旅所へ向かう。22日は氏子16地区が交代で担当する「梛の獅子舞」。可憐優雅な舞、軽快勇壮な舞、ユーモラスで曲芸的な舞など全12曲の多彩なバリエーションの中から奉納する。

◇富島神社(同市御津町)
21、22日。21日19時から子どもの提灯行列。20時から勇壮な提灯練りが行われる。22日13時からはだんじり、子供屋台、若中屋台、2台の神輿が順に宮入り。だんじり上で舞う迫力の獅子舞「神楽獅子」が見もの。

◇伊和神社(宍粟市一宮町)
15、16日。15日10時から本殿祭。16日12時半から神幸祭。巡行から神社に戻ってきた屋台が、巨木に覆われた荘厳な境内に集結し練り合わせ。5台がそれぞれ難しい技(スペシャル)を披露し合う場面が盛り上がる。16時半から4年振りに餅まきが行われる。

◇高嶺神社(上郡町山野里)
7、8日。7日18時から神事、8日9時からは神幸祭で、神輿と氏子350人が練り歩き、巫女舞が行われる。両日「野獅子」と呼ばれる荒々しい獅子舞が奉納される。

◇曽根天満宮(高砂市曽根町)
13、14日。花笠をかぶった男児が、地面に足が着かないように氏子に肩車されて宮入りする県重要無形文化財「一ツ物神事」、約10㍍の青竹を地面に激しくたたきつける「竹割り」、境内を馬が走る「馬駆け」など珍しい神事が続く。色鮮やかな布団屋台の練り合わせも壮観。

◇高砂神社(同市高砂町)
10、11日。10日に神幸祭で、頭家・一ツ物神事の後、「にぎわい物」と言われる押太鼓、 だんじり、引き物が神輿とともに渡御。11日は9基の太鼓(屋台)が宮入りし、神前で練り合わせ。

◇志方八幡宮(加古川市志方町)
7、8日。7日は18時からの神事に続き電飾屋台の宮入り。8日は9時から神事、14時半から巫女による「浦安の舞」の後、見どころの「胡蝶の舞」。胡蝶や鳥に扮した地元女子児童らが優美な舞を披露する。

 

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