そろそろ秋の気配だというのに、姫路城はまだまだ熱い。というのも、姫路城では今秋から冬にかけ、世界遺産登録30周年の記念イベントが怒濤のように企画されているから。
まずは9月24日まで開催中の特別公開。実は姫路城には8つの国宝があり、普段公開されている大天守はそのうちの1つにすぎない。しかし、今回の特別公開では、残り7つの国宝のうち、5つが同時公開されているのだ。なかでも必見はロの渡櫓。ここは、司馬遼太郎原作の映画「関ケ原」で軍議のシーンに使われていたのだが、ご存知だろうか。長さ30㍍、幅6㍍の巨大な空間を戦国武将になった気分で歩いてみてほしい。
[広大なロの渡櫓]
また、小天守の中で一番大きな「乾小天守」も、圧巻の大天守を間近に望むことができる絶景スポット。この最上階から日本城郭を代表する「連立式天守」のリアルな構造を肌で感じてほしい。料金は大人500円、高校生以下200円(別途入城料が必要)。
[夜の大天守から望む姫路のまちなみ]
次は、9月15日から4日間開催される「姫路城プレミアムナイトツアー」。お城の第一人者たちの解説付きで夜の姫路城を見学するというファン垂涎の企画。解説者と見学テーマは毎日変わるが、闇夜だからこその姫路城の魅力が存分に味わえる。各日後半は迎賓館で歓談タイムとなっているので、解説者との熱いトークも楽しもう。参加費は大人5万円、高校生以下2万5千円。すでに定員到達の日程も出ているので、姫路観光コンベンションビューロー(電話079-222-2285)に問い合わせを。
さらに、9月10日19時半から三の丸広場で大画面の「ラグビーワールドカップ フランス2023」のパブリックビューイング。姫路城を背景に、チリと戦う日本代表チームを応援しよう。
また、9月1日から11月30日までは城下町散策型のミステリーゲーム「姫路の消えた歴史書」。スマホのLINEを使い、キャラクターと会話しながらパンフレットに記載の各チェックポイントを周遊、それぞれに設置された問題を解いていくというゲームで、制作はテレビなどでも活躍中の謎解きクリエイター松丸亮吾氏。参加無料でパンフレットは観光案内所などに設置される。
[昨年の「鏡花水月」]
このほか、9月16日から18日まではアクリエひめじで「特別版お城EXPO in 姫路」、同29日には三の丸広場で「姫路城観月会」、さらには11月10〜12日は姫路お城まつり&大名行列、同22日からは昨年好評だった光・水・音楽の競演「鏡花水月」と大手前通りのLEDイルミネーションなど、楽しみなイベントが目白押し。姫路城の世界遺産30周年記念は、見学だけにとどまらない、絶え間ないプラスαの要素で、新たな体験・再発見ができる充実の内容となっている。