姫路美術館・國富コレのマティス作品が国立西洋美術館記念展に特別出品

文化・歴史

「ニース郊外の風景」を囲む関係者ら(右端が國富奎三氏)

姫路市立美術館(同市本町)が収蔵するフランス近代絵画作品群「國富奎三コレクション」の1点、アンリ・マティスの「ニース郊外の風景」が、6月から始まる国立西洋美術館(東京・上野)のリニューアル記念展「自然と人のダイアローグ」に特別出品される。

西洋美術館は明治─大正の実業家、松方幸次郎のコレクションをもとに1959年に設立された日本を代表する西洋美術の専門館。「ニース郊外─」は、松方旧蔵で長らく所在不明の「森の中に横たわる二人の女」と図像が一致することが2年前に分かり、現在は同館研究員を中心に、2つの作品をつなぐための来歴調査が進められているところ。

特別出品は、同作品がすでに巨匠の地位を確立していたマティスの新しい進化を表す貴重な時期の1点であることから、「展覧会のテーマを深めてくれる」と西洋美術館が打診した。内外に公開することで、調査研究を前進させることも狙いの1つという。

このほど姫路美術館を訪れたマティス研究の第一人者、京都橘大学の大久保恭子教授は「市に寄贈した國富氏の英断で美術史研究が大きく進展することに敬意を表したい」と話していた。

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