夢前まちおこし─ヤマサの蓮花

コラム


ヤマサ蒲鉾が整備している蓮公園

姫路市北部の夢前町では地元企業が中心になり、花々で地域おこしが行われている。コロナで2年連続中止を余儀なくされたが、姫路城マラソン開催に合わせて農業生産法人「夢前夢工房」がコース沿道で菜の花畑を作っており、ランナーの心を和ませる。
春に芝桜、夏は蓮花を咲かせている食品製造「ヤマサ蒲鉾」の取り組みも大好評で、多くの人が鑑賞に訪れる。中国自動車道夢前スマートIC周辺では「香寺ハーブガーデン」がハーブを植栽し、ドライバーの目を楽しませている。

このうち、ヤマサ蒲鉾の蓮花がちょうど見頃を迎えるので紹介したい。
同社は15年前に工場直売所への誘客増を狙って「芝桜の小径」を工場敷地内で整備したのだが、芝桜は花の期間が短いため、「もう少し長く鑑賞できるものを」と考えて隣接する田んぼを蓮畑として整備し、2019年から公開を始めたのだそうだ。その面積は1万2千平方㍍に及び、白、黄、紫など6種類の蓮花が6月から8月中旬まで楽しめる。蓮畑の中には桟道が整備されているので、まるで蓮花の海を歩いているかのような気分が味わえる。

国内には蓮公園がいくつかあるが、ここほど多くの蓮花が手で触れられる距離で鑑賞できる場所は例がない。さらに昨年は100年に一度現れるという大変珍しい「双頭蓮」が咲いた。この花は幸せを招く吉祥の花と言われており、日本書紀にもその記述がある。
また一帯はジャコウアゲハやトンボが飛び交い、雨蛙が葉の上で遊ぶ様子も見ることができる。珍しい鳥がやってくるので、早朝より写真を撮りに来る人も多い。

同社の名田和由社長は「いつかカワセミとコウノトリが飛んでくるのを楽しみに待っている」と話す。この美しい蓮畑が完成するまでにはヌートリアやアライグマ、鹿などの獣害にも苦労させられたと言うから、お客さんの笑顔を見ると感慨もひとしおだろう。

現在、美味しい蒲鉾詰め合わせなどが当たるインスタグラムフォトコンテスト(〜7月31日)も行われているので、まだご覧になったことがない人はこの機会にぜひ足を運んでほしい。
(文・ASハリマアルビオン取締役 村瀬利浩)

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