【今こそ人間学vol.5】社会の一隅を照らせる人間であれ

コラム

 とある法人会員さんから若手社員の研修を依頼されました。入社1年生から3年生までの10名を対象に、1回3時間、隔週で6カ月間にわたる研修です。その1回目にあたり、何よりも先ず若手社員さんに伝えようと思って紹介したのが、「一隅を照らすもので私はありたい」という詩です。

 私の願  一隅を照らすもので私はありたい 私のうけもつ一隅が どんなちいさい みじめな はかないものであっても わるびれず ひるまず いつもほのかに 照らしていきたい

 この詩は、住友本社の総務を統括され、後に住友電工の中興の祖と言われた田中良雄先生の「私の願い」の中の一文です。
 田中先生は敬虔な仏教徒であり、会社の人事の達人と呼ばれた方で、私の師、伊與田覺先生と親しい仲にあった方です。
 私たちは学校を卒業し、会社など組織の一員となって働き始めると、「自分はもっとやれるのに」という気持ちが先立って、与えられた仕事がつまらない仕事のように思えてしまいがちです。他人の仕事が羨ましく見え、自分の仕事をつまらない仕事と思ってしまいがちです。
 私のもう一人の師、豊田良平先生(元大阪屋証券副社長)は、常に「職業に貴賤はない。与えられた境遇で最大最善を尽くすのみ」と言われました。
 最近は、入社3年以内で容易に自分を見切ってしまい、転職する若者が増えています。職業に貴賤はなく、いきなり天職に巡り合うこともありません。
 昔から「桃栗3年、柿8年」という言葉がありますように、基礎の3年の辛抱が出来ない人は、長い人生の荒波を乗り越えていくことができません。そんな嵐の中の漂流といった目に遭わせないために、この会社では若手社員からの研修を開始されました。どんなに小さな仕事であっても、手を抜かず完全にやり遂げられる人になるという決意と覚悟を持ってほしいのです。

(一般社団法人 令和人間塾・人間学lab. 理事長 竹中栄二)

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